イントロダクション

どうしようもない人間を、 どうしようもなく愛する 𠮷田恵輔監督の真骨頂であり、 新境地的作品が誕生

『ミッシング』『空白』などで、人が目を背けたくなる感情を描き、デビュー以来、傑作、問題作、衝撃作を連発してきた𠮷田恵輔。本作は、監督自身が多感な時期に出会った非行少年やそのコミュニティをもとに、他人の痛みも常識も理解できない少年たちと、そんな彼らに本気でぶつかりながらも寄り添う大人の生々しいもがきを描く。主人公・西健吾を演じるのは、Netflixドラマ『サンクチュアリ -聖域-』で世界的に注目を集めた一ノ瀬ワタル。問題児・澤海斗に抜擢された新星・上阪隼人、2人を引き合わせる教師・草野冬子を夏帆が演じる。さらに海斗の両親役に篠原篤、占部房子、周囲の子供たちに和田庵、山﨑七海、髙田万作ら注目の若手と実力派が集結した。

ストーリー

先生……他人が痛くても、 俺はちっとも痛くないんだけど

元半グレで元受刑者の西健吾(一ノ瀬ワタル)は、更生施設「みらいの里」を運営し、非行少年や引きこもり、家庭に問題を抱える子供たちと向き合っている。中学校教師の草野冬子(夏帆)は荒れた教室に苦悩し、「対話ではどうにもならいない子供とどう向き合えばいいのか」と自問していた。なかでも他者の痛みを理解できず、暴力や犯罪を繰り返す生徒・澤海斗(上阪隼人)に頭を抱えていた。冬子は「みらいの里」の存在を知り、両親に伝えて海斗を施設へ預ける決断をする。反発し暴れる海斗だったが、共同生活の中で次第に変化の兆しを見せ始める。しかし彼は施設を脱走し再び事件を起こして逮捕される。さらに西の過去も明るみに出て、施設の運営は揺らいでいく……。

Profile プロフィール

スタッフ
DIRECTOR PROFILE

𠮷田恵輔KEISUKE YOSHIDA

1975年、埼玉県出身。学生時代に塚本晋也監督作品の照明を担当。自主制作映画『なま夏』(06)で注目を集め、同年、『机のなかみ』 で長編映画監督デビュー。その後も、『さんかく』 (10)、『麦子さんと』 (13)、『ヒメアノ〜ル』 (16)、『愛しのアイリーン』(18)、『BLUE/ブルー』(21)、『空白』(21)、『ミッシング』(24)など話題作を次々と発表。2026年は監督作『mentor』の公開も控える。

𠮷田恵輔
キャスト
西健吾元半グレ初期メンバー。元受刑者。現在は更生施設を運営している。

一ノ瀬ワタルWATARU ICHINOSE

1985年7月30日生まれ、佐賀県出身。2009年『クローズZEROⅡ』で俳優デビュー。『サンクチュアリ -聖域-』(23/Netflix)で主演を務め、力強い存在感で注目を集める。近年の主な出演作に、ドラマ『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(25/TBS)、『イクサガミ』(25/Netflix)、『インフォーマ』(25/ABEMA)、映画『炎上』(26)、『ヴィレッジ』(23)などがある。

一ノ瀬ワタル
草野冬子中学校の国語教師。海斗の担任。

夏帆KAHO

1991年6月30日生まれ、東京都出身。2007年映画『天然コケッコー』で主演を務め多くの新人賞を受賞。以降ドラマ・映画・CMなどで幅広く活躍。近年の主な出演作に、ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(25/TBS)、「ブラッシュアップライフ」(23/NTV)、「silent」(22/フジテレビ)、映画『BAUS 映画から船出した映画館』(25)、『違国日記』(24)、『さかなのこ』(22)などがある。

夏帆
澤海斗不良少年。人の痛みが理解できない。

上阪隼人HAYATO KOUSAKA

2007年5月23日生まれ、東京都出身。中学二年生の頃より俳優活動を始め、映画・ドラマ・広告など多数の作品に出演。近年の主な出演作に、映画『違国日記』(24)、『あたしの!』(24)、『雑魚どもよ、大志を抱け!』(23)、Mrs. GREEN APPLE Official Music Video 「ケセラセラ」(23)などがある。

上阪隼人
澤陽平海斗の父親。西と若い時に対立している。

篠原篤ATSUSHI SHINOHARA

1983年2月1日生まれ、福岡県出身。映画『恋人たち』(15)で新人俳優賞を受賞し注目を集める。映画・ドラマで幅広く活躍。近年の主な出演作に、ドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」(25/KTV・CX)、映画『サバカン SABAKAN』(22)、『ぼくのお日さま』(24)、『リライト』(25)、『劇場版TOKYO MER〜走る緊急救命室〜南海ミッション』(25)などがある。

篠原篤
澤綾子海斗の母親。

占部房子FUSAKO URABE

1978年1月9日生まれ、千葉県出身。1998年デビュー後、映画、ドラマ、舞台など幅広く活躍。近年の主な出演作に、ドラマ「我らがパラダイス」(23/NHK BSプレミアム)、「透明なゆりかご」(18/NHK)、映画『ヒグマ!!』(26)、『雪子 a.k.a.』(25)、『マンガ家、堀マモル』(24)、『ちひろさん』(23/ Netflix)、『偶然と想像』(21)などがある。

占部房子
生島詩「みらいの里」の寮生。薬物、引きこもり、リストカットに苦しむ。

山﨑七海NANAMI YAMAZAKI

2008年6月27日生まれ、東京都出身。モデルとしても活躍。近年の主な出演作に、ドラマ「シジュウカラ」(22/TX)「宙わたる教室」(24/NHK)、映画に、『なぎさ』(21)、『渇水』(23)、『海辺へ行く道』(25)などがあるほか、公開待機作に『未来』、『時には懺悔を』がある。

山﨑七海
内藤悠海斗の同級生の不良友達。

和田庵IORI WADA

2005年8月22日生まれ、東京都出身。幼少期より芸能活動を始め、映画『茜色に焼かれる』(21)で【キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞】など多くの新人賞を受賞し確かな演技力で注目を集める。近年の主な出演作に、NHK連続テレビ小説『虎に翼』(NHK/24) 、映画『この夏の星を見る』(25)、『エゴイスト』(23)などがる。

和田庵
尾崎湊「みらいの里」の寮生。

髙田万作MANSAKU TAKADA

2006年12月1日生まれ、東京都出身。映画『旅と日々』(25)、『もういちどみつめる』(25)の演技において第47回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞を受賞。年幅広い役柄で評価を得る。その他の主な出演作に、ドラマ「PACHINKO season2(24/Apple TV+)、『ETV特集・ある子ども』(NHK Eテレ/22 主演)、映画『流浪の月』(22)などがある。

髙田万作

コメント

𠮷田恵輔 (監督・脚本)

この物語は私の実体験や、周りで起こったことをベースに書きました。
子供の頃に育った地域は治安が悪く、不良からヤクザになる人が沢山いました。
私も誰かを傷つけたり、暴力を振るう事に罪悪感など考える事がなく、それが当たり前と思っている環境でした。
その環境でも仲間や、理解のある大人との出会いで少しずつ、まともになっていった気がします。
しかし、その成長過程で、飛び抜けて狂気に走る子供が何人かいました。
皆が痛みの限度を知る中で、全く共感性などの理解がなく、仲間の中でも孤立していき、嘘をつき、弱い人間を徹底的に痛めつけ全てを奪う。
そういう子供は、喧嘩が弱く、強いリーダーの陰に隠れて悪さをするタイプが多かった気がします。

当時の学校教育は、教師が生徒を叩いたり、力でねじ伏せていました。
そこで、ゲンコツの痛みを知って大人の階段を登る時代でした。
しかし、現在の教育では教師が生徒に手を挙げる事ことは、当然ダメで強く叱ることも、場合によってはクレームがくる状況です。
対話で理解させる。これが今の教育。
対話で何ともならない子供を見てきた自分としては、現在の教育で狂気に走る子供達を、どうやって導いたらいいのか疑問を持っています。
勿論、子供に手を上げることは推奨していません。
だとしたら、同じ目線で徹底的に向き合うしか道はないと思いますが、日本の教師は、あまりに時間がありません。
授業を終えても、課題を作り、テスト採点をして、部活の顧問もやらなくてはいけない。
給料だって高くなく、負担だけが多い職業となっています。
この映画が、教師の環境問題、理解を超えた子供との向き合い方を見つめ直すきっかけになれば幸いです。

𠮷田恵輔 (監督・脚本)

一ノ瀬ワタル(西健吾役)

西健吾という過去に悪かった男が、現在では子供達の更生施設を運営している所から物語がはじまります。
四月の余白のスタッフに小学校の先生をやられていた方がいて、その方は一旦教師を辞めて社会を学ぶ為にいろんな仕事をして経験を積んでると仰っていました。
確かに学校で学ぶ事って勉強だけじゃないし、西健吾みたいな人生を歩んできたからこそ子供達に教えれる事ってあるんじゃないかなって思いました。
子供達の為に体罰は必要なのか、何が子供達にとっての幸せなのか。
人は更生できるのか。過去の罪は許されないのか。
この映画を観終わった後に、皆様の心に問う作品だと思います。
「四月の余白」ぜひ劇場でご覧ください。

一ノ瀬ワタル

夏帆(草野冬子役)

初めての𠮷田組は、毎日とんでもないスピードでぐんぐん進んでいき、的確で無駄がないのに、遊び心のある𠮷田さんの演出に、ただただ圧倒されるばかりでした。
わたしは冬子という教師を演じています。人を指導することのむずかしさ、歯痒さ、そして罪を償うこととは?
許すこと、許せないこと、答えのない問いに精一杯向き合いながら演じさせていただきました。
一ノ瀬さん、そして上阪くんをはじめ、生徒役のみなさんと対峙した時間が、今もまだ強く記憶に残っています。ぜひ、劇場に足を運んでいただけたらうれしいです。

夏帆

上阪隼人(澤海斗役)

作品への出演が決まったときは、大きな喜びと同時に身の引き締まる思いがありました。
常識にとらわれず、ユーモアと深い洞察をあわせ持つ𠮷田監督の現場は、常に和やかで笑いに満ちており、理解が難しい場面についても丁寧に向き合ってくださったことで、ある意味で「素の自分」で役を演じる事ができたと感じています。
その年頃にしか分からない親や社会への反発心、
何が彼(海斗)をあんなふうにさせてしまったのか、役と向き合う中で、僕自身も多くのことを考えさせられました。
この作品は自分自身の人生を大きく変える一本になると思います。初めての経験も多く、何が本当の正解かはまだ分かりませんが、この作品に僕は全力を注ぎました。
人生の中で𠮷田監督の作品に携わり、海斗として生きた時間は、僕にとって一生の宝物です。

上阪隼人